安倍晋三首相の次の自民党総裁の座をめぐり、岸田派(宏池会)会長の岸田文雄外相が首相につかず離れずの姿勢を見せている。
 
  “禅譲”を狙う向きもある一方、憲法9条改正を訴える首相とは距離を置く。派閥再編の動きも当面は静観の構えだ。「ポスト安倍」の戦略はまだ見えてこない。(小沢慶太)
 
  6月に創設60周年を迎える宏池会は28日、岸田氏の地元・広島市にある創設者・池田勇人元首相の銅像近くで記念植樹を行った。銅像は、広島出身の池田氏が昭和34年、首相を目指して「所得倍増論」を最初にぶち上げた演説場所に近い。「宏池会の原点」に立った岸田氏は「改めて歴史の重みを感じる」と語ると、こう呼び掛けた。
 
  「未来に向け日本の政治で何をすべきなのか。しっかりと役割を果たそう」
 
  同席した広島県の湯崎英彦知事からは「5代目の宏池会首相として岸田先生にぜひご就任いただきたい」との声も飛び、大きな拍手がわいた。
 
  しかし、岸田氏は煮え切らない。植樹後、記者団に「[[シアリス 通販>http://www.edchiryouyaku.net/shiarisu20]]安倍首相は卓越したリーダーだが、いつまでも一人に頼り続けるということではならない」と述べた一方、来年の党総裁選については「今の時点では何もない」とそっけなかった。
 
  岸田氏には、3選が確実視される首相と対決する来年の総裁選出馬は見送り、4年後を見据えたいとの思いがある。周辺には「焦る必要はない」と漏らす。
 
  ただ、最近は首相との違いも出てきた。首相が表明した自衛隊の存在を明記する憲法9条改正に関し「今すぐに改正することは考えない」と述べた。首相に批判的な岸田派名誉会長の古賀誠元幹事長さえ「一定の評価に値する」と容認しているにもかかわらずだ。
 
  将来に向け首相との対立軸を鮮明にする狙いもうかがえるが、中途半端な対応は孤立を招く可能性もある。[[威哥王>http://www.strong-one.net/seiryokuzai-52.html]]麻生派と山東派などの新派閥が7月に発足すると、岸田派は第3派閥から第4派閥に転落する。それでも岸田氏は、派閥再編の動きについて、記者団に「宏池会の結束を確認することがまず何よりも大事だ」と述べるにとどめた。
 
  「未来に向けた政治」の姿が曖昧な岸田氏は、次の党役員人事・内閣改造でどう動くか。岸田派内は「もう閣外に出るべきだ」との声が大半になっている。

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